炎症後色素沈着とは
炎症後色素沈着(Post-Inflammatory Hyperpigmentation / PIH)とは、ニキビや虫刺され、やけど、ケガなどによって肌に炎症が起きたあとに、茶色や黒っぽいシミのような色素が残る状態を指します。
日本人をはじめとするアジア人はメラニンの生成が活発なため、PIHが起こりやすいとされています。
原因
- ニキビや皮膚炎
- 日焼け
- 肌を強くこする・ひっかく
- レーザーやピーリング治療後のダウンタイム中
- 虫刺され・擦り傷・切り傷
これらの炎症のダメージによってメラニンが過剰に生成され、色素沈着として残ってしまいます。
特徴
- シミのように茶色〜黒っぽい色味
- 肌表面は滑らか(凹凸はない)
- 炎症が起きた部位と同じ場所にできる
- 時間の経過とともに徐々に薄くなる傾向がある
治療法・改善方法
1. 美白成分を含む外用剤
- ハイドロキノン
- ビタミンC誘導体
- トラネキサム酸
※継続的な使用が効果的。医療機関専売の製品が特におすすめです。
画像:外用薬(クリーム)を塗るフリー素材 |
2.ケミカルピーリング
- ケミカルピーリング +イオン導入・エレクトロポレーション


3. 紫外線対策
PIHを悪化させる最大の要因が紫外線。日焼け止めを毎日使用し、日傘・帽子も併用しましょう。
画像:眩しそうなフリー素材 |
炎症後色素沈着は自然に消える?
軽度なPIHであれば、数ヶ月〜1年ほどで自然に薄くなることもあります。
標準的な経過
顔 | 半年 |
体・腕 | 1〜2年 |
足 | 3〜4年 |
(参考文献 シミの治療第2版 葛西健一郎 文光堂)
しかし、より早く・確実に改善したい場合は、医師の診断を受けた上で適切な治療を行うことが重要です。
まとめ|炎症後色素沈着は早めの対策がカギ!
炎症後色素沈着は、見た目の印象にも大きく関わるお悩みのひとつですが、正しい知識とケアで改善可能です。
「なかなか薄くならない」「自己流のケアに限界を感じている」方は、ぜひ当院にご相談ください。


執筆者
身原 京美
院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。
皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。
皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。
取得資格
日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞