【講演報告】ワキ汗・多汗症の悩み、あきらめないで!市民公開講座を行いました


このたび、市民公開講座「ワキ汗の悩み、あきらめないで!」にて、
Web形式の講演を担当しました。


1. 多汗症とは? ─ 病気としての理解を
- 「ワキ汗が多い=体質」と思われがちですが、実は原発性局所多汗症という“疾患”です。
- 日本では汗が多くてお困りの多汗症は10人に1人おられて、20人に一人(約5%)の方がワキ汗に悩んでいるとされます。
- しかしながら、受診率は10%以下であるということも報告されています。
2. 多汗症の困りごとと心理的影響
- 衣類の汗ジミ、におい、対人関係の不安など、日常生活に大きな影響が出ます。
- 労働生産性や、学業への影響も指摘されています。
- 学校や仕事、人前での緊張などで悪化することもあり、心理的な負担も大きい疾患です。




3. 正しい診断と治療法
重症度の評価(HDSS)や問診による診断が基本です。
発症年齢や左右対称か、どれくらいの頻度で多汗があるか、など簡単な問診です。
重症度はどれくらいこまっておられるかを4段階に分類します。
治療は以下のように段階的に選択されます。
治療選択肢:
外用薬(塩化アルミニウム、抗コリン剤など)
ボツリヌス毒素注射(ボトックス®)
手術的治療(交感神経遮断術)
※外用薬や注射治療は、保険適用となる場合もあります。
4. 腋臭(わきが)との違いと治療法
- 多汗症と腋臭は異なる機序の疾患であり、治療方法も異なります。
- 腋臭はアポクリン汗腺が関与しており、におい対策+外科的治療の検討が必要になることもあります。
診断、治療について詳しくはコチラ https://www.mihara-cln.com/medical/hyperhidrosis/
Q&Aでも多くの関心が寄せられました
講演後の質疑応答では、
- 「市販の制汗剤と医療用はどう違うのか?」
- 「中学生でも治療を受けられる?」
- 「においに悩んでいるけれど、病気なのか分からない…」
といったお声が寄せられ、多汗症・腋臭への高い関心がうかがえました。


皮膚科専門医としての想い
「汗でつらい思いをしているのに、誰にも相談できない」
そう感じている方は決して少なくありません。
しかし、多汗症も腋臭も、正しく診断し、治療することで改善できる疾患です。
当院では、患者さん一人ひとりの背景に寄り添いながら、最適な治療をご提案しています。
まとめ:まずはご相談ください
「ワキ汗がひどくてつらい」
「市販薬で効かない」
そんなお悩みをお持ちの方は、どうぞ一度ご相談ください。
多汗症の診断から治療まで、専門的に対応いたします。
🔹 初診・再診ともにWeb予約が可能です。