アトピー性皮膚炎の注射薬、デュピクセントが小児に使えるようになりました。
難治性のアトピー性皮膚炎治療薬デュピクセント(注射剤)、発売から5年以上たち世界中で沢山のアトピー性皮膚炎で苦しむ患者さんの人生を変えてきました。実際に投与された患者さんを拝見するとその効果はあきらかで、“Life change drug(人生を変える薬)”と言われた由縁を実感したものです。
このデュピクセント、効果も大きいのですが、もう一つ大きなメリットがあります。
それはいまだに重篤な副作用の報告がかなり少ないということです。当院でも沢山の患者さんに投与させていただいておりますが、副作用のために中止された患者さんはいまだおられません(結膜炎などが一時的に出たり、注射部位反応は一定数の方におこります)。世界中で膨大な数の方が使用されているにもかかわらず、大きな副作用報告がごく少ないというのは驚くべきことです。
このデュピクセント、従来成人にのみ適応がありましたが、昨年9月に小児にへの適応が追加されました。
これにより、生後6か月以上のお子さんからデュピクセントを使用して頂くことができるようになりました(投与には重症度などの要件を満たす必要があります)。
当院でも小児患者さんに投与を始めており、これまで掻きむしりが強くなかなか塗り薬や抗ヒスタミン剤の飲み薬ではコントロールが良くなかった患者さんが良くなられて、喜ばれております。


執筆者
身原 京美
院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。
皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。
皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。
取得資格
日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞