コラム

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花粉と皮ふ

気温が高くなり、花粉症の方には辛い季節になってきました。

花粉は皮膚にも影響することはご存じでしょうか?

「花粉皮膚炎」と呼ばれるもので、花粉が皮膚に付着することにより、主にマスクので覆われていない

目の周りや鼻などに、赤みやかゆみ、腫れやかさつきなどが出ます。

これは花粉症のない方にも発症することが分かっており、特にスギ花粉で症状が出る方が多いようです。

この花粉皮膚炎の発症には、皮膚のバリア機能もかかわっていることが知られています。

バリア機能が下がっていると、外部からの刺激に弱くなり、軽い刺激でも痒みが出て、掻きむしることでさらに皮膚炎が悪化します。

アトピー性の方や乾燥肌の方、花粉症の方などもともとバリア機能障害がある方やアレルギーをもっておられる方に発症しやすいのです。

花粉にさらされるこの季節、しっかりとこすらないスキンケアをして保湿し、皮膚のバリア機能を整えておきましょう。

そして外出から帰ったら、露出していた部分の皮膚を水やぬるま湯で優しく洗浄し、保湿しておくことも大切です。

参考文献Molecular aspects of allergens in atopic dermatitis. Curr Opin Allergy Clin Immunol. 2017 Aug; 17(4): 269–277

身原 京美

執筆者

身原 京美

院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック

当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。

皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。

皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。

取得資格

日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞