コラム

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水虫について

最近水虫?の方のご来院が増えてきています。

足に痒みがあると、「水虫では?」と心配になりますよね。

実際に“水虫“と言ってこられる方の中には、水虫(足白癬)ではない方も結構な数おられます。

水虫の診断には、顕微鏡での検査で白癬菌を検出する必要がありますが、市販の水虫薬などを塗っておられる場合には、表面の検査できる部分の白癬菌がおらず、検査をしても陰性になることが多々あります。水虫薬を塗っておられる場合、塗るのを中止して2週間くらいあけてからの検査でないと、信頼度がおちることが知られています。

水虫菌(白癬菌)は健康な皮膚には存在しない菌ですので、顕微鏡で検出するだけで病的なものだと診断ができます。

足に痒みがあるだけで水虫を心配される方も多いのですが、ムレなどでも痒みは起こることもあり、診察して白癬菌を検出することが診断には重要になります。水虫でない方に水虫のお薬を処方しても、症状は改善しません。時々クリニックでも漫然と水虫薬を塗っておられてもかゆみや皮むけが良くならないといって来院される方をみかけます。

水虫菌(白癬菌)には耐性菌は今のところ見つかっておらず、きちんと塗られていても良くならない場合は水虫でない可能性も考える必要があります。

水虫であれば、目に見えて発疹がある範囲より十分に広く塗る必要があります。足全体、足趾の間や足の甲まで、両側に十分な期間(最低でも2ヶ月間)塗って頂く必要があるのです。

参考文献:日皮会誌:132(9), 2125-2131, 2022

身原 京美

執筆者

身原 京美

院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック

当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。

皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。

皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。

取得資格

日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞