コラム

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繰り返す口唇や性器ヘルペスの治療について

口唇ヘルペスや性器ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルスは、2つの型(1型と2型)があり、

1型は世界中で37億人(世界人口の67%)

2型は4.9億人(世界人口の13%)が感染していると言われています。(2022年WHO)

 国内での調査でも2002年のデータにはなりますが、

1型は60%程度

2型は10%程度が感染しているという結果が出ています。

 単純ヘルペスウイルスは感染後体内に潜伏しますが、初感染では症状がないことがほとんとです。

残念ながら一度感染した単純ヘルペスウイルスは体内から出ていくことはなく、一生涯潜伏しています。

そして時に症状を引き起こします。

疲労やストレス、日光暴露など免疫が落ちた時に、ピリピリとした初発症状を伴って潜伏している神経節が支配している皮膚領域に赤みや水疱を引き起こします。

再発性口唇ヘルぺス患者さんは、66%もの方が日常生活の広い範囲で制約を受けており (2022年インターネット調査)、とても苦痛を伴う疾患です。

単純ヘルペスウイルスには増殖を抑制する抗ウイルス薬があり、ウイルスが増殖する前に、いかに早く内服するかがとても重要です。

また、再発を繰り返す方は、皮疹が出る前にピリピリやむずむずといった初発症状で単純ヘルペスの再発が分かられる方が多いのです。

この初発症状の時期への治療が保険診療でできるようになっています。

ヘルペスが出ていなくても、処方が可能で、

普段から患者さんに携帯いただき、ヘルペスが出そうになったらご自身の判断で内服して頂ける治療

Patient intiated therapy(PIT)といいます。

2回飲むお薬と、1回の内服ですむお薬も保険適応があります。

再発する口唇ヘルペスのお薬は、症状がなくても処方できます!

繰り返すヘルペスでお悩みの方は是非ご相談ください。

身原 京美

執筆者

身原 京美

院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック

当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。

皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。

皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。

取得資格

日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞