コラム

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毛虫皮膚炎について

そろそろ毛虫皮膚炎の時期になってきました。

「毛虫皮膚炎」?あまりなじみのない方もおられるかと思いますが、“毛虫”のうち全体の2%が毒性をもつと言われています。

主にドクガ・チャドクガなどの幼虫(毛虫)の毒針毛が皮膚に刺さることで生じるのが毛虫皮膚炎です。

チャドクガは、ツバキや山茶花などに毛虫が潜んでいることが多いとされます。

毒針毛は直接触れることで刺されるだけでなく、空気中に散布されることもあり、屋外作業中に気づかないうちに刺さってしまい発症することも少なくありません。

刺されてすぐに蕁麻疹のように痒くなり(即時型反応)、掻きむしることでどんどん広がる場合もあれば、毒針毛に触れた1~2日後に症状が出る(遅延型反応)場合もあります。

診断は、この時期に分布に偏りがある赤い丘疹(ブツブツ)が、急に沢山出てきて痒みが強い、庭の手入れや山にいったなどの病歴から行いますが、毛虫との接触を自覚されていない場合も多々あります。

治療はステロイドの塗り薬と抗ヒスタミン剤(かゆみ止め)などで行いますが、1週間以上長引くことも多いのが特徴です。

考文献:虫と皮膚炎改定第2版 夏秋優著 秀潤社、 あたらしい皮膚科学第3版 清水宏著 中山書店

身原 京美

執筆者

身原 京美

院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック

当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。

皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。

皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。

取得資格

日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞