日光アレルギーについて
日差しが強くなり、海やアウトドア活動でひどい日焼けをされて受診される方がちらほら出てこられました。
「日焼け」は皆さんイメージがしやすいかと思いますが、「日光アレルギー」はご存じでしょうか?
「日光アレルギー」とは、日光を浴びることにより、日焼けとはことなる発疹(湿疹やじんましんなど)が出る状態です。
「日焼け」が個人差はあるものの、ある一定量以上の日差しを浴びると誰にでも生じるのに対して、「日光アレルギー」は日光に対して過敏になっている方に発症し、少しの日差しでも発症するリスクがあります。
内因性(遺伝的なものや他の病気が関与)と外因性(薬や化粧品などの使用がきっかけとなる)に大きく分けられますが、原因不明のものも多く存在します。
薬の使用で代表的なものは湿布です。
湿布の中には光接触皮膚炎といって、湿布の薬剤と日光(主に紫外線)が合わさることによってかぶれを起こす場合があり、症状もひどい水疱ができ長引くことがあります。湿布による光接触皮膚炎は湿布を貼らなくなった後も2ヶ月程度の遮光を要するなど、その後のケアも大変であり、湿布は注意書きに従って、適切な場所に使用しましょう。
また日光にあたるとじんましん(赤くはれて数時間で消えてしまうことが多いです)が出る方もおられます。
日光によることが明らかな場合は、日光を避けることが重要で、日焼け止めのみでなく帽子やサングラス、衣服などでの遮光が大切です。
「日光アレルギー」の診断は、症状や病歴、薬の使用歴などを総合的に考慮して行います。
その症状も多彩で原因となる光線もさまざまで、診断が困難なものも少なくありません。
日光を浴びた部位に痒みのある湿疹やじんましんが出る場合には、医療機関を受診して相談されてください。
考文献:あたらしい皮膚科学第3版 清水宏著 中山書店、戸倉新樹 アレルギー55:1382-1389,2006


執筆者
身原 京美
院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。
皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。
皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。
取得資格
日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞