【医師監修】帯状疱疹とは?診断・治療・予防の最新ガイドライン(2025年版)を解説


広島市中区にある【身原皮ふ科・形成外科クリニック】の院長・身原京美です。
今回は、2025年に日本皮膚科学会より公開された「帯状疱疹診療ガイドライン2025」の要点を、患者さん向けにわかりやすくご紹介します。
「帯状疱疹って何?」「予防できるの?」「後遺症が心配…」といった疑問に、最新の知見をもとにお答えします。
帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、子どもの頃にかかった「水ぼうそう(水痘)」のウイルスが再び活性化することで発症する病気です。
ウイルスは長年、神経の中に潜んでおり、加齢やストレス、病気などで免疫が下がったときに再活性化して発症します。
症状は神経に沿った痛みと赤い発疹・水ぶくれが特徴です。
なぜ今、注目されているのか?
- 日本では年間60万人以上が発症しています。
- 50歳以上では発症率が急増し、80歳までに約3人に1人が経験します。
- 後遺症として「帯状疱疹後神経痛(PHN)」が残るケースもあり、注意が必要です。
どのように診断するの?
皮膚の症状だけで診断できるケースが多いですが、**特殊な検査(抗原検出・PCRなど)を使うことで、より確実な診断が可能です。
当院では、必要に応じて最新の迅速検査キット(イムノクロマト法)**を導入しています。
治療の基本は「抗ウイルス薬」+「痛みのケア」
主な治療の目的は以下の3つです:
- 後遺症(神経痛)を防ぐこと
- 周囲への水ぼうそうの感染予防
- 皮膚の炎症を早く治し、傷あとを残さないこと
発症から3日以内の早期治療が、効果を最大限に引き出します。
重症の場合や高齢者、免疫力が低下している方は点滴治療や入院が必要になることもあります。


ワクチンで予防できます!
- 2016年から水痘ワクチン(弱毒生ワクチン)が帯状疱疹予防に使用可能に。
- 2020年には、より効果が高いサブユニットワクチンも登場しました(不活化ワクチン)。
当院でも、50歳以上の方にワクチン接種を推奨しています。
副作用も少なく、帯状疱疹の発症や重症化・神経痛の予防に有効です。
帯状疱疹は他人にうつる?
はい、水ぼうそうとしてうつる可能性があります。
とくに免疫のないお子さんや妊婦さんへの接触は避けましょう。
当院では、感染対策を徹底しながら治療を行っていますので、安心してご来院ください。
まとめ|早期発見・早期治療がカギです
帯状疱疹は、正しく治療すれば多くの方が回復する病気です。
しかし、放置すると後遺症が残ったり、周囲へ感染させるリスクもあります。
気になる皮膚の痛みや水ぶくれがあれば、できるだけ早く皮膚科専門医の診察を受けましょう。
当院の診療の特徴
- 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医による丁寧な診察
- 最新の迅速検査キット・診断機器を導入
- ワクチン接種・治療薬についても適切にご案内します


執筆者
身原 京美
院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。
皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。
皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。
取得資格
日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞