RCCラジオ《まるっと日常ワイド えんまん。》に出演しました:爪の健康について

RCCラジオ「まるっと日常ワイド えんまん」に出演し10/8 火曜日 「爪の健康」についてお話しました。
その時の内容を元にして、爪の健康について解説させていただきます。
- Q.爪が健康かどうか、どんなところから判断しますか?
変形がないか、色が正常かなどで判断します。
- Q.爪が割れやすいのは、何か原因がありますか? 季節的なことも原因になりますか?
爪の水分量が減少すると爪が割れやすくなります。
爪が湿潤と乾燥を慢性的に繰り返すと、爪の水分を保つ力が低下します。
マニキュアの除光液、有機溶媒、慢性的な刺激などが要因になりやすいとされます。
冬季の乾燥状態では、爪の水分量も低下すると思われます。
- Q.二枚爪になってしまうのはなぜ?対処法はありますか?
上記と同じ理由だと考えられます。
保湿をする、爪の保護オイルなどを塗るなどの対処法があります。
- Q.爪に黒い線が入っている、線が目立つ時、どんな理由からでしょうか?
黒い線は色素線条といって日本人の2~10%にみられる生理現象(病的なものではない)です。
爪母という爪を作る組織にホクロがある場合にも色素線条はみられます。
色ムラのある黒い線は悪性所見のこともあり、受診が必要です。
- Q.爪の長さ、どのくらいに保つのが適切でしょうか? 特に足の爪は切り忘れがちに…爪の伸びる速さはどのくらい?
指先とほぼ同じ長さが適当とされます。
手指で1月2~3mm程度, 足趾で1㎜程度です。
角をおとさず、スクエアオフの形で切るようにしましょう。

- Q.爪をきれいに保つ方法はありますか?爪を強くする方法、習慣や食べ物などはあるのでしょうか?
バランスの良い食事が爪にも大切です。
ネイルや頻繁にふやけるなどは爪を弱くする可能性があります。
- Q.爪に出てくる症状、何か注意した方がいいことはありますか?
少ないのですが、腫瘍が爪の下、爪床に出ることもあります。
悪性黒色腫は頻度としては多くはありませんが、早期の対応が必要です。
色ムラのある黒色の爪は注意が必要です。
- Q.ちなみに・・・爪を見たら体の健康状態がわかる、なんて話を聞いたことがありますが、これは本当ですか?
全身的な病気で爪に異常がでることもあります。
貧血に伴うスプーンネイルや、イエローネイル症候群といわれるリンパ浮腫や胸水を伴う疾患や乾癬、や自己免疫疾患にともなって爪病変が出ることはありますが、頻度は高くありません。
爪の病気は治療法がかなり限られており、かつ治療の結果は正常な爪が生えてくるかどうか(一度生えた爪は変わりません)で判断せざるをえないことが多く、効果判定にも非常に時間がかかります。
そんな中でも、爪水虫などは効果の高い薬剤がありますし、当院では爪切り指導などもさせていただいています。


執筆者
身原 京美
院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。
皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。
皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。
取得資格
日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞