顔の赤み・かゆみが気になる方へ
肌のバリア機能低下が原因かもしれません。
「顔が赤くてメイクがのらない」「マスクや季節の変わり目で顔がかゆい」
こうした肌トラブルに悩まされている方は、肌のバリア機能の低下が関係している可能性があります。
当院では、皮膚のバリア機能に注目し、医学的根拠に基づいたスキンケア指導と、症状に応じた治療を行っています。
肌のバリア機能とは?
皮膚表面の「角層」には、以下のようなバリア機能があります。
- 肌のうるおいを保つ
- 外からの刺激、アレルゲン、ウイルスなどの侵入を防ぐ
この機能が低下すると、外部刺激に対して肌が過敏になり、赤み・かゆみ・乾燥・ヒリヒリ感などの症状が出やすくなります。
バリア機能が低下する主な原因
肌のバリア機能は、以下のような要因で乱れることがあります。
- 洗顔やクレンジングのやりすぎ
- メイクオフやスキンケア時に肌をこする習慣
- 乾燥・寒暖差・花粉などの外的環境要因
- ストレス、睡眠不足などの生活習慣の乱れ
- 加齢による皮脂や保湿成分の減少
- 自分に合わないスキンケア製品の使用


肌のバリア機能低下によって起こる症状
バリア機能が弱まると、次のような症状が出やすくなります。
- 頬や顔全体の赤み
- ムズムズ・チクチクするようなかゆみ
- 乾燥による粉ふきや皮むけ
- ヒリヒリ・ピリピリとした刺激感
- 化粧品がしみる、使えなくなる
これらの症状は、肌のバリア機能が低下しているサインである可能性があります。
当院の取り組み
1. 「こすらずスキンケア」指導
肌のバリア機能を守るには、日々のスキンケアが重要です。
当院では、医師と看護師が連携し、「こすらずスキンケア」の指導を丁寧に行っています。
具体的な内容は以下の通りです。
- 洗顔方法(泡を使い、やさしく洗う)
- 保湿のタイミングと塗り方のコツ
- 肌に合ったスキンケア製品の選び方
- 日常生活で摩擦や刺激を避ける方法
毎日のちょっとした工夫が、肌の回復力を高めます。
2. 症状に応じた処方薬のご提案
スキンケアだけでは症状の改善が難しい場合、医師の診察により、状態に合わせた薬剤を処方します。
処方例
- 炎症を抑える外用薬(ステロイドまたは非ステロイド)
- バリア機能を補う保湿剤(例:ヘパリン類似物質)
- かゆみを抑える抗ヒスタミン薬の内服
- アトピー性皮膚炎が疑われる場合の専門的治療
患者さん一人ひとりの肌状態に合わせた、適切な治療を行っています。
こんな症状が続いている方はご相談ください
以下のような症状がある方は、早めの受診をおすすめします。
- 顔の赤みが何日も続いている
- かゆみがひどくて眠れない
- 季節の変わり目になると肌トラブルが起こる
- 市販薬や自己ケアで効果が見られない
症状を放置すると、悪化して慢性的な皮膚炎に移行することもあります。
早期に適切なケアを受けることが、肌トラブルの予防と改善につながります。
医師からのメッセージ
肌は「あなたの暮らしと心の状態」を映す鏡です。
こすらず、やさしく、正しくケアすることで、肌は本来の健やかさを取り戻します。
「いつものことだから」「体質だから」とあきらめず、困ったときはぜひご相談ください。
当院では、あなたの肌に本当に必要なスキンケアと医療的アプローチをご提案しています。


執筆者
身原 京美
院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。
皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。
皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。
取得資格
日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞