帯状疱疹

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帯状疱疹とは

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水ぼうそうのウイルス(※水痘・帯状疱疹ウイルス)が再活性化して起こる皮膚疾患です。子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスは、完治後も神経の奥に潜んでおり、加齢やストレス、疲労、病気などで免疫力が低下したときに再び活動を始めることで、帯状疱疹を発症します。

日本人成人の約9割が発症する可能性があります。

帯状疱疹の症状

主な症状は以下の通りです。

  • 体の片側にピリピリとした痛み(神経痛)
  • その後、同じ部位に赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れる
  • 顔や目の周囲に出る場合もあり、視力障害や顔面神経麻痺を引き起こすこともあります

※帯状疱疹の痛みは強く、皮疹が治ったあとも「帯状疱疹後神経痛(PHN)」として痛みが続くことがあり、早期治療が重要です。

帯状疱疹の好発部位

帯状疱疹は、体幹(胸や背中)に出ることが多いですが、顔、首、腕、足など全身どこにでも出現します。

帯状疱疹の治療

当院では、以下の治療を組み合わせて行います:

  • 抗ウイルス薬の内服(ウイルスの増殖を抑える)
  • 鎮痛薬の内服(痛みのコントロール)
  • 患部の手当(軟膏外用、ガーゼ保護など)

※発症から72時間以内に治療を開始すると、症状や後遺症を軽減できる可能性が高くなります。

高熱を伴う、発疹の範囲が広いなどの重症例では入院施設のある病院へ紹介することもあります。

また、目の周りの帯状疱疹は角膜に障害をおこすこともあるので、眼科受診も必要になります。

帯状疱疹はうつるの?

帯状疱疹はすでに水ぼうそうにかかったことのある人にはうつりません。ただし、水ぼうそうにかかったことのない人、特に小さなお子さまや妊婦さん、高齢者などには、水ぼうそうとして感染することがあります。水ぶくれに触れないよう注意が必要です。

帯状疱疹ワクチンについて

50歳以上の方には、帯状疱疹の予防接種(不活化ワクチン・生ワクチン)が推奨されています。ワクチンにより、発症のリスクや重症化、神経痛のリスクを減らすことができます。

当院でも生ワクチン、不活化ワクチンともに扱っております。

生ワクチンは60%程度の予防効果が5年程度、不活化ワクチンは95%以上の予防効果が10年程度続くことがわかっています。

まとめ

帯状疱疹は早期発見・早期治療がカギです

帯状疱疹は、早期の対応で痛みや後遺症を最小限に抑えることが可能な疾患です。ピリピリした痛みや皮膚の違和感を感じたら、自己判断せずにお早めにご相談ください。

身原皮ふ科・形成外科クリニックでは、皮膚科専門医が適切な診断と治療を行い、必要に応じてワクチンのご案内もしております。お気軽にお問い合わせください。

身原 京美

執筆者

身原 京美

院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック

当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。

皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。

皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。

取得資格

日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞