巻き爪・陥入爪とは?
巻き爪(まきづめ)とは、爪の端が内側に巻き込んでくる状態を指します。特に足の親指に起こりやすく、放置すると皮膚に食い込み、痛みや炎症、出血を伴うことがあります。
一方で陥入爪(かんにゅうそう)は、爪の角が皮膚に食い込んで炎症や感染を起こしている状態を指します。赤みや腫れ、膿が出る場合もあり、早期の対応が重要です。
巻き爪・陥入爪の原因
以下のような要因が、巻き爪や陥入爪の発症や悪化に関与しています。
- 深爪や不適切な爪の切り方
- 窮屈な靴やパンプスの長時間使用
- 歩き方や体重のかけ方の偏り
- 加齢や運動不足による筋力低下
- 外傷や爪の変形
当院での対応
当院では、皮膚科専門医が巻き爪・陥入爪に対して医学的根拠に基づいた治療と生活指導を行っています。患者さんの状態に応じて、以下のようなきめ細やかなケアを提供しています。
1. 爪の正しい切り方の指導
深爪や丸く切る癖が原因となることが多いため、再発を防ぐために爪切りのコツを丁寧に指導しています。


2. 歩き方・姿勢のチェック
歩き方や姿勢の歪みが巻き爪の一因となることがあります。日常生活での足の使い方について、個別にアドバイスを行います。
3. 炎症・感染がある場合の治療
皮膚に赤みや腫れがある場合には、外用薬や内服薬で炎症をコントロールします。
4. 必要に応じた専門処置
状態により、整形外科の紹介や足底板(インソール)の作成が有効な場合があります。当院では、信頼できる医療機関と連携して対応しています。
5. 弾性ワイヤーによる矯正
巻いた爪は内服薬や外用薬では形を戻せません。当院では、爪に弾性ワイヤーを装着して、物理的に矯正する方法を行っています。
院長は10年以上のワイヤー治療経験があり、多くの症例を治療してきました。保険適応はありませんが、約3か月ごとに巻きの状態を確認しながら矯正を続けます。


巻き爪ワイヤー法 11,000円(1足趾)/回
また、肉芽形成が強い場合には「ビルドゲル®」というゲルを用いて肉芽のコントロールを行う方法もあります(こちらも保険適応外です)。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 自分で爪を切っていても大丈夫ですか?
A. 巻き爪の方の多くは、誤った切り方をしています。深く切りすぎたり角を落とすと悪化することがあります。一度専門的な指導を受けることをおすすめします。
Q. 一度よくなっても再発しますか?
A. 歩き方や靴の選び方、爪の切り方などが原因となるため、再発しやすい傾向があります。当院では生活習慣の見直しを含めてサポートいたします。
Q. 痛みがひどいのですが、どの診療科に行けばよいですか?
A. 炎症や皮膚のトラブルがある場合は、まず皮膚科の受診をおすすめします。当院では必要に応じて整形外科との連携も行っております。


執筆者
身原 京美
院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。
皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。
皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。
取得資格
日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞