脂肪腫とは
脂肪腫(しぼうしゅ)とは、皮膚の下にできる柔らかいしこりで、脂肪細胞が腫瘍化して増殖したものです。多くは数センチ程度の大きさで、痛みがない柔らかいふくらみとして触れることができます。


脂肪腫の特徴
- ほとんどが良性腫瘍で、急速に大きくなることは稀です。
- 身体のどこにでもできますが、背中・肩・腕・太ももなどにできやすい傾向があります。
- 通常は無症状ですが、大きくなって見た目が気になる場合や、動きづらさ・違和感がある場合には摘出手術を検討します。


注意が必要なケース
ごく稀にですが、脂肪肉腫(悪性腫瘍)などの悪性の可能性もあります。また、筋肉内や深部にできる脂肪腫は、表面からの診察だけでは正確な評価が難しいため、画像検査(CTやMRI)による精査が必要です。
当院では、必要に応じて同ビル内の「八丁堀脳神経外科」にて画像検査をご依頼し、連携して適切な治療を行っております。
大きさや検査結果によっては広島市民病院などの総合病院での手術をおすすめすることもあります。
治療について
脂肪腫の治療は、基本的に外科的な摘出となります。局所麻酔で日帰り手術が可能なケースが多く、手術時間は20〜30分程度です。
術後は経過観察や抜糸などのための通院が必要となります。
腫瘍が大きい場合にはドレーンを留置することもあり、その場合には頻回の治療が必要になることもあります。
身原皮ふ科・形成外科クリニックでは
当院では、皮膚科専門医・形成外科専門医が、脂肪腫の診断から摘出まで一貫して対応いたします。見た目の変化が気になる方や、悪性が心配な方も、どうぞお気軽にご相談ください。


執筆者
身原 弘哉
医師 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
形成外科は、外傷や傷跡、皮膚腫瘍など、見た目の美しさと機能の回復を両立させる診療科です。患者さんの「気になる」や「つらい」を、丁寧に受け止め、一人ひとりにとって最適な治療を提案することが私の役目です。
私は現在も総合病院にて乳がんや頭頚部がんの再建、大きな外傷に対する再建手術など、全身麻酔による形成外科手術を多数担当しておりますが、当院では局所麻酔で対応可能な形成外科手術に特化し、日帰りで可能な治療を中心に行っております。
取得資格
一般社団法人日本形成外科学会 専門医 一般社団法人日本形成外科学会 指導医 一般社団法人日本形成外科学会 皮膚腫瘍外科領域指導医 一般社団法人日本形成外科学会 小児形成外科領域指導医 一般社団法人日本形成外科学会 再建・マイクロサージャリー領域指導医 一般社団法人日本口蓋裂学会 口唇裂・口蓋裂認定師 乳房再建用エキスパンダー・インプラント責任医師 乳房増大用エキスパンダー・インプラント責任医師 一般社団法人日本形成外科学会 評議員