医療レーザー脱毛と脱毛サロンなどでの脱毛は何が違うのか?
現在脱毛はさまざまな医療機関や脱毛サロン、エステで受けていただくことができます。
永続的に毛が生えないようにするには、皮膚の深いところ、毛の幹細胞があるとされるバルジ領域、毛の根本にある毛乳頭などを破壊する必要があります。これは厚生労働省により医療行為にあたるとされており、医師、看護師などの医療免許を持ったものしか施行できません。
脱毛サロンなど医療機関でない施設で使用される出力の弱い脱毛器では、90%以上の毛が再生し、“永久脱毛”ではなく、“減毛(毛を少し減らす)”か“制毛(毛が生えてくるのを一時的に抑える)”処置にすぎず、脱毛効果は一時的なもので、いずれ生えてくるようになるのです。
エステサロンの脱毛は免許をもたない専門知識がない施術者でも可能な機器しか使えません。これらの機器は出力が弱く、効果も低いので、10回施術を受けてもまだムダ毛が残ってしまうことも珍しくありません。そもそも、エステで恒久的な脱毛を行うことは法的に禁止されています。
一方、当院の医療レーザー脱毛は医療免許をもち研修を複数回うけた看護師が行い、機器も出力の高い医療機器が使用可能なため、6〜8回の施術でも確実な脱毛が可能です。
※部位による差や個人差があります。
一時的な効果だけでなく、毛が生えなくする※のは、真皮深層にあるバルジ領域、毛乳頭まで効果を及ぼす医療レーザー脱毛でしかできないことなのです。
※うぶ毛は医療レーザー脱毛においても残ります。


医療レーザー脱毛 | サロン脱毛 | |
---|---|---|
脱毛 機器 | ・出力が高くて効果が高いかつ安全性に優れる「医療機器」を使用 ・医療機関で医療免許を持つ者しか施術できない | ・出力も低く効果も低い (永久的な脱毛は法的に禁止されている) ・免許を持たない者でも施術が可能 |
安全性 | ・医療免許を持ち医学的知識を持つ者がトレーニングを受けて施行する ・医師が常駐しており常に対応が可能である | ・施術者の知識、施術レベルにはばらつきが大きい ・皮膚トラブルに対処はできず、医療機関受診に頼らざるを得ない |
施術 時間 回数 | ・高い出力で短い時間、少ない回数での施術が可能 | ・低い出力で行うため時間、回数がかかる ・回数を重ねても減耗しかできない |
費用 | ・高い出力で1回1回の効果が高いため、トータルではコストが抑えられる | ・回数がかかるうえに最終的には脱毛が完了せず、かえってコストがかかり、効果も落ちる |
当院の特徴
- 皮膚科専門医、形成外科専門医が常駐し、皮膚科学・形成外科学の知識豊かな看護師が施術します。
- 効果が高く、安全な施術が可能です。
当院では日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本形成外科学会認定形成外科専門医が在籍し、皮膚科形成外科の専門知識を持った経験豊かな看護師が施術を担当します。
当院では美容医療のみでなく、皮膚科形成外科診療も行っており、日常的にあらゆる皮膚のトラブルの治療を行っています。そのため、皮膚科形成外科学の基本知識に基づき、医学理論に基づいた脱毛、アフターケアを行っており、安全で効果的な脱毛をご提供することが可能です。
万が一皮膚トラブルが起こったときにも経験豊富な皮膚科専門医が治療を担当しますので、安心して脱毛を受けていただけます。


では医療レーザー脱毛とはどんなことをするのでしょうか?
医療レーザー脱毛では、レーザーやIPL(光)を用いて行います。
ターゲットである毛のメラニンに高く吸収される波長の光をあてて、毛と毛包、「バルジ領域」と呼ばれる、毛を生成する源である幹細胞を含む領域を熱で破壊することで、脱毛を行います。効果的で安全な脱毛が行われる十分なエネルギーを加えるとともに、周囲の皮膚を熱から保護することができる装置、設定が必要となります。
医療用の脱毛器はこれを可能にするもので、効果が互い一方安全性を高めるための工夫もされています。
レーザー脱毛では、毛のメラニンへの吸収率が高くかつ皮膚メラニンへは安全性の高い波長、755nmアレキサンドライト、810nmダイオード、1064nmNdYAGなどが使用されます。一方、IPL(光)はさまざまな波長からなる光を利用しています。治療に有効で安全な波長帯域の光だけを取り出して使用されています。
レーザー脱毛でも、光脱毛であっても、医療用機器であれば同様の効果が出せるとされます。
実際当院では現在光脱毛を行っておりますが、安全で効果的な脱毛をご提供しております。
脱毛サロンでもレーザーや光を用いた脱毛が行われていますが、医療機器によるものとは全く別のもので、皮膚の深いところまで効果を出せる機器は医師免許を持たない場合は購入すること自体ができないのです。
参考文献
あたらしい皮膚科学第3版:清水宏 中山書店
美容皮膚医学BEAUTYvol4 No2, 2021
医療レーザー脱毛の間隔と回数は?
毛根には毛周期というのがあって、成長期が数ヶ月続いた後、休止期に入り、数ヶ月は毛を作りません。これを繰り返しています。休止期の毛根には毛がありませんので、レーザーを当てても毛根を破壊することができません。
そのため、効果的に脱毛をするためには6週~8週間隔で施術をする必要があります (毛周期の違いにより、部位によっては必要回数が増えることがあります)。基本的には6回以上の施術で8割の脱毛が完了します。
※効果には個人差がございます。
※ヒゲ脱毛やVIO脱毛は効果がまばらです。均一に脱毛するには回数と時間を要します。
※毛量を減らすためには6回以上の施術がかかります。


当院の医療レーザー脱毛とは
当院で使用している脱毛器は、最新脱毛レーザーの「クラリティII」です。


アジア人の皮膚に最も適したレーザーを使用しており、安全で効果的です。フラットトップビーム技術で、レーザーの強さをほぼ均一に照射が可能であり、ムラのない脱毛が可能です。
また、クラリティIIには照射漏れを解消するローラーシステム(インテリトラック)が採用されており、短時間でムラのない脱毛が可能となっています。


さらにマイナス温度の冷たい風をハンドピースの先端からレーザーと一緒に施術箇所に当てていくエアクーリング方式を採用しており、肌ダメージが少なく、従来の脱毛機器と比べて痛みを軽減させることが期待できます。
また、リアルタイム温度監視システム搭載で、表皮温度を計測し、火傷のリスクを抑えます。身体の脱毛だけではなく、お顔やデリケートゾーン、男性のヒゲなどにも安心して受けていただけます。
クラリティⅡに搭載された2種類のレーザー
アレキサンドライトレーザー
- 日本人の肌に合い脱毛効果が高い
- 日本国内で広く脱毛に使用されているレーザー
- 黒色(メラニン色素)に反応するため濃い毛に対する脱毛効果を期待できる
YAG(ヤグ)レーザー
- 色黒肌や濃い毛の脱毛などで使用
- 産毛にも効果があるため顔や背部・大腿などにも効果あり
- 表皮のメラニンにほとんど反応しないため色黑肌や色素沈着がある肌でも照射可能
クラリティツイン・クラリティⅡは、2種類のレーザーを使用し、脱毛を行うことができます。
2種類の波長は、「アレキサンドライトレーザー」で755nmと「ヤグレーザー」で1064nmの波長です。 アレキサンドライトは毛に反応しやすいレーザーで、特に皮膚表層の毛に効果的です
これら2つのレーザーを使い分けることで肌の色味やタイプに関わらず医療レーザー脱毛を行うことが可能です。
特徴
●脱毛の痛みを抑制する
「CRYO(クライオ)」
マイナス温度の冷たい風で心地よい全身脱毛を。
クラリティⅡは、空気を機械の背面から吸い込み、内部でマイナス温度にコンプレッサーで圧縮させます。空気を使って皮膚を冷やすので、痛みや赤み・腫れ・火傷のリスクを軽減します。ハンドピースの先端からレーザーと風を一緒に当てるエアクーリング方式を採用しておりますので、マイナス温度の冷たい風で心地よい脱毛をお受けいただけます。空気冷却のため、冷却ジェルなどを塗布する必要がありません。
●エネルギーが均一に行き渡る
フラットトップビーム照射技術
痛みが少ない、効率的な脱毛を実現。
従来のレーザー技術は、照射範囲のレーザーのエネルギーが中心部に強く、外側は効果が弱いという、脱毛結果にムラが出やすくなってしまうものでした。クラリティⅡのレーザー技術はレーザーの強さをほぼ均一に照射が可能で、お痛みも少なく、効果もムラなく均一に現れます。
●従来より広い口径で、施術が早く完了
「14種のレーザー口径」を装備
以前のスポットサイズは20mmまで。広いレーザー口径でより早く施術を完了できるようになりました。お肌の状態を見ながら、施術範囲に合わせたレーザー口径を選べるので、デリケートゾーン(VIO)や、男性のヒゲにも対応可能。施術中の痛みを抑えることも期待できます。
●安全性を高める、火傷防止の温度管理
リアルタイム温度監視システム
リアルタイムに表皮温度を計測するシステムを搭載。火傷のリスクがあると判断すると、停止や警告音で知らせます。安全性を高め火傷のリスクを最小限に抑えます
起こりうる副作用
赤み、痛み、熱感、腫れ、乾燥、かさぶた形成、一時的な色素沈着、水ぶくれ、白髪化
これらはレーザー脱毛後に見られる一般的な反応や症状で、一時的なものであることが多く、施術後の適切なケアにより改善することがほとんどです。
これらの症状に対しても、皮膚科専門医が診察、治療させていただきます。
硬毛・多毛化
全身のどの部位でも起こる可能性があります。
日本人の皮膚には基本的にアレキサンドライトレーザーを使用して脱毛を行います、硬毛化/多毛化が生じた部位については、YAGレーザーを用いて治療します。
※硬毛化、多毛化は1~2%の確率で発生することをご理解ください。
※硬毛化、多毛化は予防ができず、予測も不可能なため、生じた際も返金等は応じかねます。
毛のう炎
レーザー刺激により毛穴が炎症を起こすことがあります。レーザー脱毛前後は、脱毛部位をきちんと清潔に保つことが大切で、ほとんどが1~2週間で自然に軽快します。
症状が続く場合には早めにご相談ください。皮膚科専門医が治療させていただきます。
やけど
細心の注意を払って施術させて頂きますが、肌が敏感な方や日焼けしている状態では、まれにレーザー治療によりやけどを引き起こす可能性があります。皮膚科専門医が治療に当たらせていただきます。場合によっては色素沈着を残すこともありえます。
まだら脱毛
レーザーを均一に照射したとしても、毛穴の密度や毛の太さなど個々の毛穴は均一ではなく、脱毛が完全に行われる部分とそうでない部分が出現することがあります。
繰り返し施術を行うことで、この差異は次第になくなっていきます。
ホクロやシミの部位への反応
脱毛に用いるレーザーの波長は、メラニンに反応します。ほくろやシミに反応して一時的にかさぶたになることがあります。
気になるほくろやシミは事前にお申し出ください。照射をさけることも可能です。
ご注意
強く日焼けしてる方:皮膚のメラニン色素と反応して火傷する可能性があるため、レーザーを照射できません。
慢性の病気・妊娠中・アレルギー/ケロイド体質の方:事前にお申し出ください。
抗菌薬や降圧剤を服用中の方:光過敏反症が強く出る薬を服用中の方では、過敏な反応が出る可能性がありますので、服用中の方は事前にお申し出ください。
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執筆者
身原 京美
院長 / 身原皮ふ科・形成外科クリニック
当院は広島で皮膚科専門医と形成外科専門医が診療を行う専門クリニックです。
皮膚科の新しい治療を積極的に取り入れる一方で、高齢者医療にも長年携わってまいりました。また、院長は2人の娘を持つ母として、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の患者さんに対応しております。女性としての視点を活かし、シミやシワなど整容面のお悩みにも親身にお応えするクリニックを目指しています。
皮膚のお悩みは、お気軽にご相談ください。
取得資格
日本皮膚科学会認定専門医 抗加齢医学会認定専門医 日本褥瘡学会認定褥瘡医師 医学博士 日本熱傷学会学術奨励賞受賞 国際熱傷学会誌BURNS outstanding reviewer受賞